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思考の整理学と奇跡の教室から。学校側が頑張りすぎることによる勉強意欲の減衰。 [本 レビュー]

本日紹介する本は
「思考の整理学」と
「奇跡の教室」です。前にも紹介したことがあったような気がしますがもう一度改めて。
いっしょに紹介する理由は、学校における教え方の問題点に関する記述がどちらも類似しているためです。
憤慨していることはどちらも同じで、例えば、今の学校は先生がなんでもかんでも親切に教えすぎて生徒に考えさせる隙すら与えていないということが、とくに思考の整理学では強く書かれていました。論語読みの論語しらず、つまり知識はあっても自力では行動ができない生徒が多いのだと


例えば、教科書を読むだけの授業。(私の経験上非常に多くある。コアでも。)先生が読むにしても、先生が生徒に読ませるにしても押しつけ感が強い上に、考えることがなにもない。ただ流すだけの単調作業でなにも印象づけられないどころか、その教科に対して嫌悪を抱くほど。

昔の塾や道場というのは、すぐに教えるようなことはせず、むしろ教えるのを拒んで、例えば、剣の修行をしたいと思っている若者に薪割りや水くみをさせたりしていたらしいのです。当然、不満を抱きます。これが学習意欲を高めるために非常に効果的であることを、昔の教育者は心得ていたらしく。あえて教え惜しみをするのだそうで。それによって早く知りたい!という気持ちが強くなる。

考えてみると、確かにその通りです。聞くだけの授業はそもそも興味がわきません。だから眠くなる人が続出するのです。一人や二人寝ているのは、生徒の責任ですが、多数が眠くなる授業は、確実に教える側に責任があります。

つまらない映画のそれと同じで、見ていると眠くなる。見終わっても何も残らない。時間の無駄。こういう経験を誰もが一度はされたはず。

『奇跡の教室』はまさに奇跡。教えるのではなく、考えさせる。興味と知識欲を最大限まで湧かせる。200ページ?ほどしかない短い小説「銀の匙」だけで3年間も国語を教えたこの先生には感動です。


以下本文から抜粋
『なんとなくわかったで済まさない。』
『個性を大事に。その先に議論がある。』
『時間と手間をかけてじっくりと育てていけば、個性豊かな実りになる。』
『一人の職人による原酒は、作り手以外、だれの味見も、検査もなく、水や氷で割られることもなく、直接飲み手に供されるのである。』



 手間と時間をたっぷりかけることこそ、一番の贅沢な教育であると確信しました。国語がすべての学問の基礎になることは忘れたくありません。

思考の整理学 (ちくま文庫)

思考の整理学 (ちくま文庫)

  • 作者: 外山 滋比古
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1986/04/24
  • メディア: 文庫
    奇跡の教室 (小学館文庫)

    奇跡の教室 (小学館文庫)

    • 作者: 伊藤 氏貴
    • 出版社/メーカー: 小学館
    • 発売日: 2012/10/16
    • メディア: 文庫
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