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失敗を恐れるな 大惨事を防ぐノウハウとは?畑村洋太郎 失敗学のすすめ レビュー

本日紹介する本は
畑村洋太郎の「失敗学のすすめ」です。
こちら”失敗”というものを解明していく上で、非常におすすめできる本でございます。
「著者は、日本社会には、失敗を恐れ、失敗を恥じ、失敗を隠そうとし、失敗に学ばないという欠点があると主張している。その原因は、明治以来、欧米のマネをすることで失敗を避け、効率よくキャッチアップしてきたために、失敗を真摯に見つめ謙虚に学ぶ文化やシステムが生まれなかったことにあるという。」
仕事ではもちろん、あらゆる場面で役立つ本です。本書では日本で実際に起きた失敗を例に、”失敗”というものを教えてくれます。
そもそも失敗とは何なのか。
著者は未知との遭遇による「良い失敗」と、人間の怠慢による「悪い失敗」とに分けて説明しています。日本では失敗を最大の屈辱と捉えて、それに正面から向き合わない傾向にある、だから同じ失敗を繰り返すし、取り返しのつかない失敗も頻繁に起こると。

失敗を肯定的に捉えること。
未然に失敗を防ぐこと。

「失敗をいかに活用して、創造につなげるべきか」

というのがこの本を読んで分かると思います。
リスクマネジメント(営業活動に伴うさまざまな危険を最小の費用で食い止めること)はもちろん、商品開発においても、実生活においても、あらゆる場面で役立ちます!

失敗情報は大抵は伝えられずに減衰します。成功するために存在する失敗をそのまま消滅させてしまうのでは勿体ない。求められるのは失敗を知識化し、正しく伝達することです。

失敗情報をクリアに記録するには一つ一つの項目ごとに分けると良い。「失敗学のすすめ」では次の6項目で記述するのが最適としています。

事象
経過
原因
対処
総括
知識化

 何が起こった?どういう経緯で?何が原因?それにはどういう背景があった?

そういうことを記述していけば、必ず次につなげられる。日頃の小さな失敗を見逃すから、大惨事を招く。そういうノウハウが失敗学のすすめで紹介されております

 


『具体的にどうすればいいのか。』

ただ言葉だけ並べてこの重要なことが書かれていない本は多い。失敗学のすすめは、実に具体的です。これからなにをすべきか、示してくれる。一度は読んで頂きたい本です

 

失敗学のすすめ (講談社文庫)

失敗学のすすめ (講談社文庫)

  • 作者: 畑村 洋太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/04/15
  • メディア: 文庫

 


最強のレンズクリーニングツール HAKUBA レンズペン2  レビュー [カメラ]

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レンズクリーニングといえば、頑張ってクリーニング液とクリーニングペーパーを使って必死で行うイメージがあります。私の場合、下手ですから液をつけすぎたり、汚れがうまくとれなかったり、いつも難儀します。頑張っても綺麗にならず、スッキリしないのでした。

で、Amazonでたまたま見つけたのがこのレンズペン。これはすごいです。とにかくすごい。

 

クリーニング液不要 

クリーニングペーパー不要

しかも1日5回使っても、半年使える。 

実に経済的。

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この先端の丸い部分にカーボン粉末があるらしく、それがレンズの汚れを綺麗に取り去ってくれるらしいのです。一拭きで驚くほど綺麗になります。クリーニング液だなんて面倒なモノは使わなくてOK。素晴らしい製品ですね。

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ブラシで塵を落とすそうですが、ブロアーを使ったほうがいいかな? レンズフィルターにも同様に使うことができました。この製品は先端のクリーニング部にサイズがあるようですが、私は以下のAmazonリンクのサイズの製品を購入しました。

PanasonicのGX1のレンズキット付属のレンズとフィルターに問題なく使用できております。

とにかく、これはおすすめできる商品です。本当に、非常に綺麗になります。騙されたと思って買ってみてください。驚きます。 

 替えのヘッド部がもう一個ついているので、一つがダメになっても、交換できます。一日5回も6回も使う人はいないでしょうから、長い間使えることでしょう。いい買い物をしました。


遠藤周作死後、半世紀を経て見つかった幻の書 レビュー [本 レビュー]

本日は遠藤周作の
「十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。」
という御本を紹介致します。


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Amazonの詳細は以下の通り。

「好きと打ち明けたい。デートに誘いたい。病気の人を見舞いたい。身内を亡くした人にお悔やみを伝えたい。そんな時、どうしたら自分の気持ちを率直に伝えて、相手の心を動かす手紙を書くことができるのか――。大作家が、多くの例文を挙げて説き明かす「心に届く」手紙の秘訣は、メールを書く時にもきっと役立つ。執筆より半世紀を経て発見され世を瞠目させた幻の原稿、待望の文庫化。 」

作者の死後50年経って見つかった原稿がこの本だそうです。それにしても惹きつけられるタイトルですね。

本書は手紙の指南書。昨今では手紙を書く機会がほとんどなくなってしまいましたが、メールでも十分使えます。遠藤周作は重たく難しい話と、ユーモアを交えた軽妙な話とで、同じ作家なのに本によってまったく内容が異なってきます。本書は後者で、笑える要素もあり、楽しく読むことができます。

この本では”人の心をつかむ文章の書き方”が説明されております。

十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。 (新潮文庫)

十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。 (新潮文庫)

  • 作者: 遠藤 周作
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/08/28
  • メディア: 文庫

 


最高傑作 谷崎潤一郎 細雪 レビュー [本 レビュー]

こんな分厚い昔の本を読む人はなかなかいないと思うので紹介というよりは感想ですが・・・こちら私 の持っているのは上・中・下と本来三冊ある本が一冊になったモノです。あの有名な谷崎の「細雪」です。最高の(美しい)文章のなかにおもしろいストーリー がある。だから私は谷崎を好んで読みます。眠くなるようなつまらない小説を彼は書きません。飽きさせず、日本語の勉強にもなり、やめられません。こちらの 本、1000ページを越える大作であります。三島由紀夫氏も最高傑作と評した作品。

本書の会話文は船場言 葉。大阪弁?の一種です。4姉妹が登場します。三女の雪子が、美人なのに引っ込み思案で、しかもグダグダと日本の良家独特のしきたりで、相手のことを調べ 尽くしてチョットでも難点があったら没にしたりと、なかなか縁談が決まらないという話しがしばらく続きます。そういう日本のしきたりを引きずるのは現代か ら見れば馬鹿馬鹿しいですね。
こういう封建的な生活を知らない私は、現代からは隔世の感のある戦前の上流階級文化が新鮮だからというだけでなく、優美な世界に没頭できる筆致が心地よく、贅沢な時間を過ごせました。

豪華絢爛と呼ぶにふさわしいのは、伝統行事の描写であります。花見、螢狩り、月見を楽しむ姉妹達。わけても京都嵐山における花見の描写は美しすぎて圧倒されます。まるでその場で自分も花見をしているかのようです。頭の中に京都の桜が次々に咲いて巡ります。

そして、この小説をよりいっそう美しくしているのは、船場言葉で会話されているからでしょう。これがもし標準語の小説であったら、その魅力は半減どころか全くなくなってしまいます。

例えば今ちょうど開いたページの台詞はこんな感じ。
「お久どんやったら黙っていたかて、御飯のお数なんかちゃんと自分で考えて拵えるのんに、あの娘は六年も奉公してながら、いまだにあたしがこないこないせ え云わなんだら、何一つよう拵えへん。御飯時にお腹空かして帰ってきて、何ぞしといてくれたかいな云うと、いいえまだでございます云うねんもん」

細雪 (中公文庫)

細雪 (中公文庫)

  • 作者: 谷崎 潤一郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1983/01/10
  • メディア: 文庫

黒髪の乙女に憧れ、手に取った一冊 夜は短し歩けよ乙女 レビュー [本 レビュー]


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